恋愛のエンディングには二通りの幕引きがある。一つは“ハッピーエンド”で、いわゆる結婚であり、もう一つは“失恋”と言う、あまり思い出したくないエンディングの形態だ。
この失恋に関して、人はそれぞれに癒し方がある。ある人は“遊び倒す”事によって現実逃避をし、時が忘れさせてくれることを待つというやり方であり、ある人は泣けるだけ泣いて引き籠り、失恋と向きあい事実を思い切り認識して自分の中で時とともに過去の出来事にしてしまうやり方、等など人それぞれの方法があるようだ。
先の方法については、時間はかかるが遊んでいる時間だけは失恋と言う事実からは逃げられ、心の痛みは比較的少ないが時間が多くかかる。後の方法は、思い切り失恋と向きあうために心の痛みは大きいが、比較的短時間に忘れられて、過去の出来事にしてしまう事ができると、いろいろな失恋経験者が言っている。
どちらの場合についても、痛みを伴わずに、失恋を過去の出来事にはできないという事実だけは変えることができない。これは、男女ともに言える事だろう。
しかし、男性の方がダージの深さは別にして、長期間失恋を過去の出来事にしきれないで引きづる傾向があるとよく言われる。とくに自分から別れを告げた場合など、この傾向が強いようだ。歌の世界にも、こういうことを題材にした楽曲は古くからあった。例えば“大塚博堂”作詞・作曲の“過ぎ去りし想いで”と言う名曲があるので、歌詞を書いてみる。
過ぎ去りし想いで
作詞・作曲・歌 大塚博堂
過ぎ去りし想いでは
木枯らし吹く街のように
孤独な胸の奥深く通りすぎていく
愛は雪を溶かし恋が芽生えて
ともに暮らした日々は遠い遠い
いまは虚しい
過ぎ去りし想いでに
ただ一人涙浮かべ
若い日のほろ苦い酒に
も一度酔いしれる
愛は雪を溶かし恋が芽生えて
ともに暮らした日々は遠い遠い
いまは虚しい
過ぎ去りし想いでは
粉雪舞う街のように
孤独な胸の奥深く
通り過ぎていく
この歌詞から読み取れることは、この主人公はたぶん男性で、自分から女性に別れを告げたと思われる。このカップルはお互いに過去に大きな失恋を経験していて、二人が出逢って心に降り積もった雪が解けて恋をしたのだろう。そして男性が、別れの時からかなりの時間が過ぎてたぶん中年になった今、当時の事を思い浮かべて涙ぐんでいるということだ。もしかしたら、いまだに独身なのかも知れない。自分があの時に出した結論によって、一人の女性を傷つけたと言う事実をいつまでも忘れられないのかもしれない。そして、そのことにより、自分自身も傷つき、現在もその傷はいやされていないのだろう、ということが読み取れる。勿論、人によって解釈の仕方は様々だが・・・・・。
こういったことを題材にした楽曲は他にも沢山あるが、女性が主人公で、これだけの時が流れても過去の事を想い、現在を過ごしているという楽曲はあっても非常にレアケースだろう。したがって女性の方が現実的で、新しい恋が始まると昔の事は忘れられるのかもしれない。
また、昔から言われているように、男性の方が心の傷の治りが遅いという照査にもなるのかもしれない。
どちらにしろ、失恋と言う重大事は、双方ともに深く傷つくために、その時が来たなら精一杯の思いやりを持って誠実に事を進める必要があるということではないだろうか。
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